軽く年老いた河童に手を引かれ、狭い道をプルプルしながら歩いていると、
乳白色の霞のかかった海に連れてこられて何も見えない。
泳げる?
と聞かれたので、
オフコース!
となぜか元気に答えると、
頭の上に、(スシロー)って書かれたお皿を載せられて、キュッとされたら取りたくても取れないくらいに密着。マジで密着。
これで、海の中でも呼吸ができるよ〜
って言われて、そのまま手を引かれ、深海のほうへ。
暫くしてると、遊郭。お江戸の最高潮のときの吉原はこんな感じだったんだろうな〜ってほどのマジな遊郭。
入って行くと、どういう訳かすごく歓待してもらえて、いい気分。セブンイレブン。
清酒を20合ほど飲んだところで、ご馳走の時間になり、芋の煮っ転がし、筑前煮、ひじきの煮物、山形のだし、鮒寿司、なんかがいろいろと
止めどなく大皿で出てきて美味しそう。
僕はいつもプロテインばかりだからこういうのは嬉しいな〜。
って河童は言ってるけど、僕はこういうときはやっぱりシャリアピンステーキとかオマール海老のビスクとかを食べたい。
って、そんなことを考えてまわりの女中をよく見てみると、みんなけっこうなマダム。ベリーマダム。昭和一桁台のマダム。
ゆとり世代の子たちにはこういうものは作れないでしょうね〜
って言ってるけど、
そりゃそうでしょうね〜。
ってマジで思うし、負けたくない女心って、永遠ですか?永遠ですか?って聞きたくなったけど、聞けず。
取り皿がないですね〜。
って、河童に聞くと、
あるじゃん〜
って言われて、河童は、頭の上にある皿をペリッと剥がして、裏面を僕の目の前に、目から5㎝くらいのところに翳してくる。
近すぎると見えるものも見えないよ〜。
なんて、哲学的なことを言って少し離して見てみると、
(魯山人)
って黒いマジックで書いてあった。
僕のは(スシロー)。
さすが河童だな〜。
って思ったところで、ヒャッと我に返り、2階の階段をプルプルと降りて行く。
なんか、甘いものが食べたいな〜。
って思って、お客様にもらった、GODIVAのチョコレートを食べる。
苦かった。